2022/04/11
「木」に学ぶ③:「幹を太くする」とは?ーマイクロリハビリ再考
さて、
シリーズ「木」に学ぶ、の
今回は3回目です。
前回はこちら↓
自分にとっての「大地」を、
「所属感」というキーワードに置き換えて、
いろいろ、それぞれが探してみよう、
という提案でしたね。
そもそもは、
「木」から学べる5つのポイント、
1:根をしっかり伸ばす
2:幹を太くする
3:光の方向を見失わない
4:枝が折れても根元から新芽を出す
5:落葉にいつまでも執着しない
その中の、まずは
1、を取り上げたわけです。
今回は、
2:幹を太くする、
について取り組んでみましょう。
・・・
幹の太い木は、
どーんと立っていますね。
ちょっとやそっとの風では
揺らぎません。
幹を傷つけられても、
そこそこ深くえぐられても、
線維が全部、
切断してしまうことがないので、
枝に、水分と栄養を送り、
木は成長を
続けることができます。
幹が細いと、
太い木と比べて
ダメージを受けやすいですね。
この例えは、
人の場合、特に
療養生活の中では、
どうなるのでしょうか?
自分の幹を太くする、とは
具体的に、どうなることだと
思いますか?
・・・
小椋のイメージでは
「打たれ強くなる」
という感じです。
同じ刺激を受けても
以前よりも回復が早い、
という状況ですね。
例えば、
人混みに出る、
という刺激を受けて、
過呼吸になったり、
幻聴がひどくなったり、
気分が落ち込んだり、
イライラしたり、
あるいは帰宅後に
過食をしたり、
自傷行為をしたり・・・、
いろいろな
不自由な症状が
起きたとしても、
以前は、半日続いたものが、
2〜3時間でおさまる、
あるいは、
30分ぐらいでおさまる、
そんな感じが
「打たれ強くなる」という
イメージですね。
自分という木の
幹が太くなると、
回復が早くなる、
そんなイメージ。
・・・
でも、この
「幹が太くなる」感じって、
実は、ものすごく
自覚しにくいようです。
よーし、自分の幹、
太くなってきたぞー、と
開口一番、診察で報告してくる方、
まず、いないです(苦笑)。
たいがいは、
また、やられました・・・、
という報告から始まる。
でも、経過を聞いているうちに、
実は、以前より回復が早くなっている、
その事実を担当医が発見する。
それを、本人と共有してやっと、
確かに、そうですね、
打たれ強くは、なっていますね・・・、
と同意する。
いわば、
幹の太さを巻尺で
担当医が測って、
ほら、太くなっているよね、と
数値や、
それに近い何かの事実で指摘しないと、
自覚できない。
ちょっとずつの変化って、
自覚するためには、
誰かにわずかな違いを
測ってもらうしか、
ないようです。
・・・
このちょっとした
気づきの積み重ねが
大切ですね。
その積み重ねの後、やっと
本人にとっても、実感として、
打たれ強くなったな、
という印象が訪れるようです。
以前は冷汗が出ていたが
いまは出てない、とか、
3日寝込むところが、
確かに1日半ですんでいる、とか、
それを、自ら
報告できるようになる、
というわけです。
・・・
このあたりの療養上のテーマは、
実は、既に
「マイクロリハビリ」というキーワードで
以前、このメルマガでも
取り上げています。
令和1年の12月から始まった、
全8回のシリーズでした。
タイトルは
「コツコツやるためのコツとは」。
参考までに、こちら↓
2回目で、
コツコツやるためのポイントを
4つ、挙げています。
再掲しますね。
1:リハビリでやることの
ハードルを下げること。
2:やったことによる変化を
どんなにわずかであっても
しっかり認知すること。
3:あせらないこと。
4:ハードルの低いリハビリが、
次のステップにつながることが、
信じられること。
・・・
4つのうちの、
2:やったことによる変化を
どんなにわずかであっても
しっかり認知すること。
これが、今回、お伝えしている
内容と直結します。
幹を太くする、
というテーマは、
まずは、
ちょっとずつでも
幹が太くなっていることを、
少しずつでも
打たれ強くなっていることを、
自覚できる、
そのスキルと切り離せません。
・・・
その成果が
得られていないようなら、
リハビリのハードルが
高すぎる可能性がある。
だから、ハードルを下げて、
その新しい設定のもと、
あせらず、また、
リハビリを続ける。
そして、打たれ強くなっているか、
定期的にチェックする。
OKなら、
そのリハビリ、継続!
ということですね。
・・・
太い、木の幹は、
一朝一夕に
誕生したものではない。
春夏秋冬、
一年、一年、
年輪を積み重ねて、
太くなっていきます。
もうムリだーとか、
いつまでかかるんだーとか、
絶叫している、木、
見たことがありません(苦笑)
何かが激突して
幹をえぐられても、
なんとか、修復して、
こぶは残したとしても
成長を続けます。
彼ら(木たち)の
あの、黙々とした信念、
どこからくるのでしょうね?
これは、次回のテーマ
1:根をしっかり伸ばす
2:幹を太くする
3:光の方向を見失わない
4:枝が折れても根元から新芽を出す
5:落葉にいつまでも執着しない
この中の
3:光の方向を見失わない
に、続きます。
・・・
「木」のイメージから
療養のヒントを得ようとする時、
Do:
自分にとって
「幹が太くなる」とは
どんな状況かイメージしてみる。
Don’t:
自分は「幹が細いままだ」と
落ち込む。
※「いま、実際に細い」という
ことと、
これからもずっと細い「ままだ」
と思い込む、ということとは
区別できます。
そのコツが、まさに
今回のテーマだった、
ということですね。
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。