2022/06/06
「毒親」とは何か⑤:カムフラージュのための親の思考を見切る
さて、今回は
毒親のシリーズ、第5回目。
前回は、こちら↓
彼ら(毒親)の特性について、
人の4つの機能、という分類に沿って
分析・整理をすすめていますが、
前回は、「感じる」について
まとめたわけです。
親の「怒り」が、
子に「恐怖」を抱かせ、
三つの要因、すなわち
・弱者の立場、
・親の「怒り」が間欠的であることによる
トラウマティック・ボンドの形成、そして
・密室化、
これらがガッチリ噛み合って、
子の隷属化に至ってしまう・・・、
というメカニズムを
確認しましたね。
今回は、彼らの
「考える」について
見ていきましょう。
・・・
復習になりますが、
彼ら(毒親)の「考える」は、
どのような内容だったでしょうか?
子は所有物であって、
そう信じる権限が親にはある、
という前提のもと、
その権限が低下する事態は許されず、
よって実力行使が正義である、
でしたね。
※これを、彼らの
「考えの核心」と呼んでおきましょう。
ただし、彼らが
その「考えの核心」をそのまま
口に出すようなことは
まず、ありません。
仮に、
親の権威を守りたいだけなんだろ!
などと詰め寄っても、
あの手この手で
上手に逃げられてしまいます。
例えば(母親なら)
あなたのためを思って
言っているのよ〜、などが
典型でしょう。
このようなやり取りが
延々と続いた後の子は、
この人にはもう、
何を言ってもダメだな、という
悲しいあきらめが
漂いはじめるわけです。
・・・
この、
徒労に終わる感覚が、
子の隷属化を
推し進めてしまうのです。
彼らから発せられる
さまざまな「考え」は、
彼らの「考えの核心」を
無傷なまま防御しつつ、
別の言い方をするなら
カムフラージュしつつ、
子を徹底的に萎えさせる、
無敵の盾、のように
機能するわけです。
・・・
もちろん、このシリーズは
彼らを持ち上げるために
始まったわけでは、ありません。
彼らの手の内を
「見切る」ために、
今回のテーマに沿うなら、
彼らが発する「考え」が
いかに「考えの核心」を
カムフラージュしているか、
それを「見切る」ことで
子が振り回されることを減らし、
隷属化に歯止めをかける、
それが、目的でしたね。
早速、
分析・整理に入りましょう。
・・・
今まで見てきたように、
親は、
子を隷属化するために、
「怒り」を間欠的に発し、
強要、制限、操作という
「動く」を
繰り出しているわけです。
この親の言動が、
子の隷属化を目的としているのではない、
とカムフラージュするための
手の内は、大きく分けると
4つ、あります。
・・・
一つは、
親の言動は全て、
子への愛情の表現である、
という考えを押しつける、
これ、ですね。
そんなの愛情じゃない!と
どれだけ叫んでも、
いや、愛情だ!と
突き返されると、
その先、議論は進みませんね。
・・・
もう一つは、
親の言動は全て、
子が生きていくために
身につけるべき正義を
伝えているだけだ、
という考えを押しつける、
です。
その正義とは、
たいていは、
社会とはこういうものだ、
とか、
人とはこういうものだ、
などの、
子も簡単には否定できない
正論を振りかざしてくる。
・・・
さらに、三つ目は、
沈黙、ですね。
これも、
強烈です。
議論の応酬が続き、
親の権限に傷が付きそうになると、
親の都合とタイミングで
だんまりを決め込む。
その後に
何が起こるかというと、
強者の立場を利用した、
「怒り」や
強要・制限・操作が
繰り出される。
・・・
そして、四つ目は、
「全てを反対に解釈する」
です。
典型的なのは、
子が意を決して
親に手を出した場合、
親が
「虐待を受けた!」と叫び始める、
などです。
子は、お前が言うな!と
反撃しても、
すればするほど
「虐待だ!」と叫ばれる。
あるいは、
子が反抗的な態度を取った場合、
「こんなに愛情を注いできたのに
裏切られた!」と言い始める。
このカムフラージュも
手強いです。
親子の話し合いが全く
できませんね。
・・・
さて、今回は
ここまでです。
次回は、
具体的な親子関係の例を
引き合いに出して、
「見切る」練習を
してみましょう。
・・・
毒親対策について
取り組む時、
Do:
彼らの「考える」は、
子の隷属化を正当化する
親の「考えの核心」を
カムフラージュするために
繰り出される。
Don’t:
カムフラージュを
見切れずに
振り回される。
いかがでしたでしょうか?
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