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2018/01/21

感情リテラシー速攻コース①:恐怖


さて、前回は、
感情リテラシーを身に付ければ、
気分の変動が減るよ、
というメッセージでした。

そのテキストは、こちら↓
うつ病の治し方:感情リテラシー入門①〜愛と悲しみ編
うつ病の治し方:感情リテラシー入門②〜イヤイヤとワクワク編
うつ病の治し方:感情リテラシー入門③〜希望編

でも、これ、長い…し、
なんだか、いっぱい書いてある…ので
尻込みする方が多いようです…

なので、
このメルマガで、数回にわたって、
速攻コースを用意します。

・・・

まず、
感情というものを、
次のように、理解しましょう。

自分の中にわいてくる
サインである。

自分が、
ある状況に置かれた時、
その状況にうまく対応するための行動を促す、
サインである。

だから、
感情リテラシーとは、

ある状況に置かれた時、
自分の中にわいてくる
サイン(=感情)を読み取り、
適切な行動を起こせるスキル、
ということになりますね。

・・・

マンガチックな例を挙げると、

森でクマと鉢合わせになって、
恐怖という感情がわいてきて、
一目散に逃げ出す。

これが出来れば、
この状況では、
感情リテラシーは
うまく機能しています。

でも、
現代のジャングルである
会社の職場では、どうでしょう…

クマのように恐ろしい
パワハラ上司が異動してきて、
でも主任の自分は
部下の矢面に立って対応を続け、
一ヶ月、耐えたが、
下痢・腹痛・嘔吐で欠勤となった。

この場合、
感情リテラシーは、
まったく、機能していません。

・・・

感情リテラシー上達の
コツの一つは、

感情を、常に、
状況→感情→行動
このセットの中で考える、
ということです。

そうすると、
どこがうまく機能していないのか、
スッキリわかるようになります。

・・・

この架空のケース(Aさん)を
そのセットにそって、
分析してみましょう。

まず、状況。

確かに、その上司が
社内でも有名な
パワハラ上司だったとすると、
Aさんが、その状況に
反応するのは、
やむをえないでしょう。

でも、その上司に、
いままで、そんなうわさが
実は、なかった場合は?

Aさんが過敏なのかもしれません。
また、Aさんと上司との
対人関係の問題があるかもしれません。

すると、
・過敏をどう減らすか
・対人関係についてのふりかえり
など、
取り組む課題が
はっきりしてきますね。

・・・

次に、感情。

自分のなかにわいてくる、
恐怖という感情(=サイン)を
読み取る。

それが、できているか?

できていない場合が、
多いです。

パターンは、
およそ三つ。

一つは、
Aさんのからだは
恐怖を感じているが、
Aさん自身が、
自覚できていない場合。

「Aさん、あの上司のこと、
こわがってるでしょう?」
など、同僚に指摘されるほど、
表情や言動に恐怖が
滲み出ているが、

Aさん自身が、
この反応が
「恐怖」という感情なんだと、
自覚できない。

これ、まさに、
感情リテラシーのリハビリが
わかりやすく有効な場面です。

この、からだの反応が、
恐怖なんだ…と、
脳にインプットしていくわけです。

・・・

二つ目のパターンは、
表情にも言動にも変化がない、
という場合。

状況の刺激を受けても、
感情というサインを発することが苦手で、
身体症状というサインを発する、
というパターンです。

Aさんは、このタイプのようです。

これ、すでに、
メルマガで扱っています。こちら↓
感情リテラシーで身体症状が減らせる理由

この場合は、
状況→感情→行動
というセットであるべき、
感情リテラシーが、

状況→身体症状→不適応(欠勤)
というセットに
ゆがめられています。

このゆがみを、
修復していく必要があります。

その第一歩は、

感情というものは、
抱いてはいけない、
恥ずかしいもの、ではなく、

状況→感情→行動という
セットの中で現れる、
生存に必要なサインなんだ、
という理解を持つことです。

・・・

三つ目のパターン。

複数の感情がわいてきて、
「しんどい」と言うしかなく、
適切にサインとして読み取れない場合。

これ、まさに
前回のメルマガで扱ったケースです。

Aさんが、
このパターンになっていたとすると、
感情としては…

上司への恐怖、怒り、
上司と部下との間での恥の感情、
主任としての責務を果たせない罪悪感、
職場での立場を失う悲しみ、
誰も助けてくれないさみしさ…
などなど…

そして、
身体症状で欠勤するのではなく、
うつ病を発症して欠勤、
となっていたかもしれません。

状況→感情→行動
というセットが、

状況→「しんどい」→気分変動
というセットに、
これまた、
ゆがめられています。

しんどい、その中身を
分類・整理して、

それぞれの感情に対して、
状況→感情→行動
というセットをとりもどす、
そんなリハビリが必要です。

・・・

そして最後は、行動。

仮に、Aさんが、
恐怖、という感情を
自覚できていたとしましょう。

すると、とるべき行動は、
逃げる、あるいは、
防衛する、あるいは、
誰かに助けを求める、です。

これが、
感情リテラシーが教えてくれる
知識です。

この知識があれば、
無策なまま、
耐え続けている自分は、
感情リテラシー的にいって、
マズいぞ、と
Aさんは自省できたはず。

マズいぞ、と自省できるなら、
何かの策を講じる努力を
もっとできたはずなのです。

・・・

もちろん、感情には、
恐怖以外に、
多くの種類があります。

でも、療養生活に
ダメージを与えるものは、
そう多くは、ありません。

不安と恐怖、
嫌悪と憂うつ、
イライラと怒り、
悲しみとさみしさ、憎しみ、
罪悪感、恥。

これらに関する基本的な
理解ができれば、
ずいぶん、見通しはできてきます。

次回以降、具体的に
扱っていきましょう。

・・・

さて、
感情リテラシーに
どこから取り組んだらいいか、
わからない時、

Do:
まず、感情を、
状況→感情→行動という
セットの中で考える
クセをつける。

Don’t:
知識が持つ力を軽んじる。

<簡単なワーク>
今までの人生で、
マックス、恐怖を感じたのは、
どんな時ですか?
その体験を、
状況→感情(恐怖)→行動、
このセットに
まとめてみましょう。
それは、
感情リテラシーとして
機能していましたか?
具体的には、
逃げる、あるいは、
防衛する、あるいは、
誰かに助けを求める、が
できていましたか?

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。