2021/05/30
天気痛との付き合い方②:予測と漢方薬
さて、今回は、
天気痛の話題の、続きです。
前回は、こちら↓
天気痛のメカニズムについて、
次のように、
整理することができました。
1:気圧が低下する
↓
2:からだがむくむ傾向になる
※特に、三半規管が異常を感知する
↓
3:交感神経系が興奮する
※その結果、各種の症状が起きる
今回は、
この整理を踏まえて、
対策を検討しましょう。
・・・
まず、
1:気圧が低下する。
これに、どう、対処する?
もちろん、
低下する気圧を、
なかったことには、できません。
でも、気圧が低下することを
予測して、
自分の体調が悪化することを
想定内にした上で、
生活することは、できます。
つまり、
自分がコントロールできる要素を
増やす、ということです。
幸い、
そのためのツールが
いろいろあります。
頭痛ーる(ずつーる)
天気痛予報
いずれも、かなり細かく、
地域と時間帯どこに、
気圧の変化を、
予報という形で提供してくれます。
月経前症候群がキツい方など、
ご自身の生理周期を踏まえて、
日々の予定を
調整されていると思いますが、
そのような対策が、可能、
ということです。
・・・
2:からだがむくむ傾向になる。
これは、どうする?
これには、
お薬の作戦があり得ます。
めまい症の治療薬として、
メリスロン、があります。
これ、実は、
作用のメカニズムは、いまいち、
不明なのですが、
三半規管を含む、
内耳の血流をアップさせる
作用があるようです。
つまり、
むくんだ三半規管の
「水はけをよくする」
作用が、期待できます。
さらに、漢方薬の
五苓散(ごれいさん)。
これは、内耳に限らず、
全身のむくみを解消する
作用があります。
これらのお薬を、
低気圧の予想日の事前に、
予防的に内服すると、
つらい症状がマシになることが
期待できます。
実際、当院でも、
うまくいっているケース、
あります。
また、つらい症状が
めまいや頭痛でなくとも、
例えば、抑うつ状態の悪化などでも、
天気痛のメカニズムが想定される場合、
チャレンジしてみる価値が
ありますね。
・・・
3:交感神経が興奮する。
これについては、どうする?
結局、地味な対策に
なってしまいますが・・・。
自律神経系のバランスをとりもどす、
つまり、
副交感神経系を優位にする。
平たく言えば、
心身ともに、
リラックスした状態を保つ、
ということになります。
例えば、
・睡眠をしっかりとる。
・睡眠と覚醒のリズムを整える。
・ストレッチなどで、からだの緊張をほぐす。
ということです。
また、ここから先は、
天気痛とは別に、
それぞれの方の
元来の疾患の症状が改善される、
ということも
必要になってきます。
元来の疾患の症状のつらさが、
交感神経を常に興奮させている、
ということが、あり得るからです。
・・・
天気痛で困っている時、
Do:
低気圧を予測し、
三半規管のむくみに内服で対処し、
リラクゼーションに取り組む。
Don’t:
なにをやっても
苦しみは同じだと
あきらめる。
(前回と同じ)
いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。